世界の金融の中心地ともいえるのが、ニューヨークのウォール街。銀行、証券会社、生命保険会社などがひしめき合い、全世界の金融家たちの熱い視線が集まる街だ。しかし壁もないのに「ウォール」とはいったいなぜ?という疑問にあっさり答えるとしよう。名前どおり昔は壁があったのだ。この地が証券街として栄え始めたのは一八三〇年代のこと。しかしウォール街の歴史は、まだアメリカ合衆国が独立しておらずオランダの植民地だった一六二四年、オランダの西インド会社がニューヨークのマンハッタンに駐在員を派遣したことに始まる。植民地として支配しているといっても、いつインディアンたちが襲撃してくるかわからない。そこでこの街を造ったオランダ人、ベーデル・スツィフサンドは防衛のために「アムステルダム砦」を築き、周囲を木の塀で囲った。これがウォールだ。この街には千人ほどのオランダ人が住んでおり、当時は「ニューアムステルダム」と呼ばれていた。しかしせっかく造った柵は何の役にも立たなかった。結局インディアンたちはまったく攻撃してこず、しだいに砦も塀も荒れ放題となり、一六五三年にはとうとう塀が腐って倒れてしまった。その柵の跡が農道のようになり、いつしか「ウォール・ストリート」と名付けられたのだ。それが今日までずっと続いているというわけ。
ホテルを選ぶ客観的基準は、まだある。最も分かりやすいのが、各国がその国を訪れる観光客のために、一定の基準でグレード分けした「公的格付け」だ。その各付け方法にも、各国ごとにお国柄が出ていて面白い。[アメリカ]民間企業がグレード分け、モービル石油の発行する「モービル・トラベルガイド」。星印でランク分けし、最高級はファイブ・スター。AAA(アメリカ自動車協会)認定。「ダイヤモンド」マークで、最高はファイブ・ダイヤモンド。[フランス]観光省により、1つ星から4つ星デラックスまで5段階にグレード分け。[スイス]国が星なしから5つ星まで6段階に分け、それぞれ次のような意味がある。星なし1つ星シンプル2つ星カンファタブル(快適)3つ星グッド・ミドルクラス4つ星ファーストクラス5つ星ラグジュアリー(豪華)。[スペイン]太陽マークで1〜5段階に分ける。ほかに、より庶民的なオスタル、長期滞在向きのペンションも1〜3段階に分かれる。また古城ホテルのパラドールも1〜4段階に格付けされていて、非常に便利だが、やや複雑でもある。[イギリス]公的なものと民間、合わせて5種類の格付けがあり、選び方もそれぞれ異なる。詳しい見方は、現地編にまとめておいた。[台湾]国花である梅花を使って、1つ梅から5つ梅まで5種類にグレード分けしている。こうした公的格付けは、ホテルを選ぶひとつの「目安」にはなる。だが、例えばフランスのように最高級の4つ星デラックスになると、税金が高くなるため意図的にランクを下げる「豪華ホテル」が出たり、公的格付けそのものが、あまり更新されていない台湾などの例もある。また観光国家であるスイスのように、5段階どれをとっても使いやすそうに分かれている国もある。あくまでも参考程度にとどめておくのが賢明だろう。
県民性を語るときに「異骨相(いごっそう)」という言葉が有名だが、強引で頑固で一途であることをいう。坂本龍馬はまさにそういう性格を代表している。ここの方言では「ぜよ」という語尾がよく使われる。高知平野では、かつては米の二期作が盛んだった。土壌の疲労も大きくなるので廃れているが、早場米の産地としては温暖な気候が生きている。地図で見ると高知県は海洋県にみえるが、西南部の海岸は絶壁が続き実際に訪れるとむしろ深い山国である。県北の大豊町八坂神社の「杉の大杉」は高さ六八メートルの全国屈指の大木。高知市から車で四時間かけて着く宿毛市はかつて大石油コンビナートの夢もかけられたがオイルショックで挫折した。吉田茂の出身地である。ただ、彼は国の大事を預かっている身で地元のことに構ってられるかというほうで、地元から来た陳情客に「高知に鉄道なぞいらん」と言い放ったという。西南日本出身の政治家にはそういうタイプの人が多いようで、田中角栄型の政治家が主流の北東日本に比べて地元は損しているように思う。